●診療内容 |
1. |
消化器外科 |
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手術症例の約70%を占めており、当院外科のメインとなる領域です。胃癌、大腸癌(結腸癌・直腸癌)、肝臓癌、膵臓癌、胆道癌などの悪性疾患、胆石症、虫垂炎(いわゆる盲腸)などの良性疾患があります。
最近は医療技術の向上、医療機器の進歩などにより安全で、侵襲の少ない手術が可能になってきています。中でも、腹腔鏡(径1cmのビデオカメラ)を用いた手術が普及してきており、主に胆嚢結石の手術に用いられています。最近では胆石症以外にも結腸切除、胃切除などかなりの手術に腹腔鏡を用いた取り組みがなされていますが、今のところ胆嚢結石のように定着はしていません。当科においても症例
を選んで施行しております。
胆石症は年間約100例の手術症例があり、60%前後に腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行されています。
徳島県は肝臓癌死亡率が全国一位です。かなりのものはC型肝炎から肝硬変へと移行し、肝臓癌になったものと思われ、肝切除が困難な症例が多いことや、切除以外の治療法(マイクロ波またはラジオ波による凝固療法、肝動脈塞栓術など)と生存率にあなり差がないことなどから手術症例は年間数例程度しかありません。
胆嚢・胆管癌、膵臓癌は早期発見されることが稀であり、その殆どは黄疸にて発症しており、切除困難な症例も多いのが現状です。
虫垂炎は緊急手術が行われますが、年間50例程度の症例があります。 |
2. |
胸部外科 |
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食道癌、肺癌(転移性肺癌も含む)などの悪性疾患、気胸(肺の一部に穴があき肺がしぼんでしまう)手術、縦隔腫瘍などがあります。ここ数年当科においても肺癌手術症例が増えてきており、年間15例程度の症例があります。自然気胸は痩せた若い男性に多い病気ですが、地域の年齢構成からか、当科では若年層の気胸は少なく、殆どが肺気腫を伴った高齢者の気胸症例です。胸部外科領域でもビデオカメラ(胸腔鏡)を用いた手術が行われていますが、当科では気胸と肺癌の一部に胸腔鏡手術を行っています。 |
3. |
乳腺外科 |
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乳癌、良性乳線腫瘤(線維腺腫など)に対して手術が行われています。乳癌に対しては主に胸筋温存乳房切除術が行われていますが、最近では乳房を全部取らない乳房温存手術が行われるようになっています。当科においても乳房温存手術は行っていますが、術後放射線治療が必要なために、その数は年間に2例程度です(当院に放射線治療装置がないため、徳島大学などに転院する必要があるなどの理由のため)。昨年には最新鋭の乳房撮影装置が導入されており、今後乳癌の診断に威力を発揮するものと思われます。 |
4. |
甲状腺外科 |
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良性甲状腺腫、甲状腺癌が主な対象疾患です。甲状腺疾患は女性に多く、ほとんどは良性腫瘍ですが、甲状腺癌は年間に1〜2例程度の症例しかありません。男性の甲状腺腫瘤は悪性であることが多いです。 |
5. |
肛門外科 |
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以前から疣痔(痔核)・切れ痔(痔裂)・穴痔(痔瘻)を主とする肛門疾患に対しても手術は行っていましたが、年間症例数は10例程度でした。 |
6. |
その他 |
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その他のものとしてはヘルニア(いわゆる脱腸)に対する手術が主な疾患で、年間に80〜90例程度の症例があります。 |
7. |
インフォームドコンセント(説明と同意) |
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当科では癌告知に対するアンケート調査は行っておりませんが、ほぼ100%近くの症例に、告知は行っております。最近は、情報も氾濫しており本人に隠し通すことは不可能であり、また治療に対する本人の協力を得るためにも告知は不可欠と考えております。 |